集合論・論理学は、あらゆる数学の基礎となっています。高校数学で、集合や論理について学習しているものの高校では、それらを全面に押し出して説明はされていません。まずは、高校で学習した集合を復習していきたいと思います。
集合
集合
”10以下の素数の集まり”や”すべての自然数”のように、ある条件を満たす”もの”全体の集まりを集合といいます。集合は\( A,\ B\)などのアルファベットの大文字で表すことが多い。”小さな数の集まり”のように条件がはっきりしていないものの集まりは集合とはいいません。
集合を構成している個々の”もの” を、その集合の要素といいます。
“10以下の素数の集まり”を\( A\)とすると、\( A\)は
\( 2,\ 3,\ 5,\ 7\)
を要素とする集合である。
\( a\)が集合\( A\)の要素であるとき、\( a\)は集合\( A\)に属するといい
\( a\in A\) または \(A\ni a\)
で表す。また、\( b\)が集合\( B\)の要素でないことを
\( b\not\in A\) または \(A\not\ni b\)
で表す。
正の奇数全体の集合を\( A\)とするとき、
\(2\not\in A ,\) \( 3\in A\)
集合の表し方
集合の表し方には、①外延的記法と②内包的記法と呼ばれる2通りの方法があります。
①要素を書き並べる方法
②要素の条件を並べる方法
6の正の約数全体の集合を\( A\)とする。このとき、\( A\)は\(1,\ 2,\ 3,\ 6\)を要素とする集合である。
①(要素を書き並べる方法)
\( A=\{\ 1,\ 2,\ 3,\ 6 \} \)
要素を書き並べる方法では、すべての要素を書き並べて、要素をカンマ(,)で区切り、 中括弧{ }で囲む。
②(要素の条件を述べる方法)
\( A=\{x|x\)は\(6\)の正の約数\(\} \)
要素の条件を述べる方法では、\( A\)の要素の代表を、たとえば\( x\)で表し、バーティカルバー(|)の右側に\( x\)の満たす条件を書く。この\( x\)に意味はなく別の文字に置き換えても構わない。
集合の要素が多いときや要素の個数が有限個ではないときには、要素の一部だけを書き、残りを\( \cdots\)で表すこともあります。
(1)100以下の正の偶数全体の集合を\(A \)とするとき
①\( A=\{\ 2,\ 4,\ 6,\ \cdots ,\ 100 \} \)
②\( A=\{x|x\)は\(100\)以下の正の偶数\(\} \)
①で\(2,\cdots ,100 \)と書いてしまうと\(2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6,cdots ,100 \)と誤解を与えてしまうかもしれないので、ある程度の要素は書かないといけない。また\( \cdots\)をカンマ(,)で挟むのを忘れてはいけない。
②の方法では、\( A=\{2x|x\)は整数,\(1\le x\le 50 \} \)のように表すこともできる。
(2)5の正の倍数全体の集合を\( B\)とするとき
①\( B=\{\ 5,\ 10,\ 15,\ \cdots \} \)
②\( B=\{5x|x\)は正の整数\(\} \)
部分集合
集合\( A\)のすべての要素が集合\( B\)にも属しているとき、つまり
\( x\in A\)ならば\( x\in B\)
であるとき、\( A\)を\( B\)の部分集合といい
\( A\subset B \)または\( B \supset \)
で表す。このとき、\( A\)は\( B\)に含まれる、または、\( B\)は\( A\)を含むという。集合\( A\)は\( A\)自身の部分集合である。すなわち、\( A \subset A\)である。
(1)\(A=\{ 2,\ 4,\ 6 \} \), \(B=\{ 1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6 \} \)とするとき
\( A\subset B\)
(2)\(A=\{x|x\)は\( 4\)の倍数\( \} \),\(B=\{x|x\)は\(2\)の倍数\( \} \)とするとき
\( A\subset B\)
集合\( A\)と集合\( B\)の要素がすべて一致しているとき、つまり\( A\subset B\),\(
B \subset A\)が成立するとき、集合\( A,\ B\)は等しいといい、\( A=B\)と書く。また、\( A\subset B\)が成り立つが\( A=B\)でないとき\( A\)を\( B\)の真部分集合という。
共通部分と和集合
集合\( A,\ B\)のどちらにも属する要素全体の集合を、\( A\)と\( B\)の共通部分といい、\( A \cap B\)で表す。すなわち、
\( A=\{x|x\in A\ \)かつ\(\ x\in B\}\)
また、集合\( A,\ B\)の少なくとも一方に属する要素全体の集合を、\( A\)と\( B\)の和集合といい、 \( A \cup B\)で表す。すなわち、
\( A=\{x|x\in A\ \)または\(\ x\in B\}\)
\( A=\{ 1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6 \} \),\( B=\{ 2,\ 5,\ 7 \} \)とするとき
\( A\cap B=\{ 2,\ 5\} \)
\( A\cup B=\{ 1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6 ,7\} \)
3つの集合については、集合\( A,\ B,\ C\)のどれにも属する要素全体の集合を、\( A\),\( B\),\(C \) の共通部分といい、\( A \cap B\ cap C\)で表す。
また、集合\( A,\ B,\ C\)の少なくとも1つに属する要素全体の集合を、\( A\),\( B\),\(C \) の和集合といい、\( A \cup B\cup C\)で表す。
\( A=\{1,\ 2,\ 3,\ 8, \ 9,\ 10 \}\)
\( B=\{ 3,\ 4,\ 5,\ 9,\ 10 \}\)
\( C=\{ 5,\ 6,\ 8,\ 9, \ 10 \}\)
とするとき、
\( A \cap B\cap C=\{9,\ 10\}\)
\( A \cup B \cup C= \{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5, \ 6,\ 8\ ,\ 9,\ 10\} \)
空集合
例えば、集合\(A=\{ 1,\ 3,\ 5 \} \),\(B=\{ 2,\ 4\} \)とするとき、\( A\)と\( B\)には共通の要素はない。このとき,\( A\cap B\)は要素をもたない集合と考えることができる。
このように、要素をもたない集合を空集合といい、記号\( \emptyset\)で表す。これを用いると上の集合\( A,\ B\)に対して
\(A\cap B= \emptyset \)
となる。どのような集合\( A\)に対しても、空集合は\( A\)の部分集合と考える。つまり、
\(\emptyset \subset A \)
である。
集合\( \{ 1,\ 2\}\)のすべての部分集合は、以下の4つである。
\( \emptyset \),\( \{ 1\}\),\(\{2\} \),\( \{1,\ 2\}\)
補集合
集合を考えるときは、あらかじめ1つの集合\( U\)を定め,その部分集合について考えることが多い。このとき、\( U\)を全体集合という。
全体集合\( U\)の部分集合\( A\)に対して、\( U\)の要素で\( A\)に属さないもの全体の集合を\( A\)の補集合といい、)\( A^c\)と表す。(高校数学では、\(\overline{ A}\)と表していた。)すなわち、
\( A^c=\{x|x\in U \ \)かつ\(x\not\in A \}\)
である。
\( U=\{ x| x\ \)は\( 10\)以下の自然数\( \}\)を全体集合とするとき
\( A=\{ 1,\ 2,\ 5,\ 7\}\)
\( B=\{ 2,\ 3,\ 5,\ 6,\ 10 \}\)
とすると
\( A^c=\{ 3,\ 4,\ 6,\ 8,\ 9,\ 10 \}\)
\( A^c \cap B=\{ 3,\ 6,\ 10 \}\)
補集合については、次のことが成立する。
\( A\cap A^c=\emptyset \),\( A\cup A^c= U\),\( (A^c)^c=A\)
ド・モルガンの法則
2つの集合\( A,\ B\)に対して、次のド・モルガンの法則が成立します。
\begin{align*} \overline{A\cup B} =\overline{A}\cap \overline{B},\ \ \ \overline{A\cap B} =\overline{A}\cup \overline{B} \end{align*}
ド・モルガンの法則を図を使って確かめる。

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