ここでは、集合を理解するのに必要な理論をします。
命題と条件
命題と条件
「4は偶数」は正しいが、「\( 1 + 1=3 \) 」は正しくない。また、「100は大きい数である 」は正しいとも正しくないとも判断できない。
一般に、正しいか正しくないかが定まる文や式を命題という。命題が正しいとき、その命題は真である、または、成り立つといい、正しくないとき、偽である、または、成り立たないという。正しいか正しくないかが定まらない文や式は、命題ではない。
(1)
(2)
(3)
「\( x>0\) 」は、\( x=1\)のときは真であるが、\( x=-1\)のときは偽であり、\( x\)の値に応じて真偽が決まる。このように変数\( x\)を含む文や式で、\( x\)に様々な値を代入するごとに真偽が決まる文や式を\( x\)に関する条件という。条件を考える場合、考える対象の全体集合をあらかじめ定めておく必要がある。条件は、\(p,\ q\)などの文字で表すことが多い。
(1)
命題『\( p\rightarrow q\) 』
数学では、\(p,\ q \)を条件として「\( p\)ならば\(q\) である 」という形の命題を考えることが多い。この命題を\( \rightarrow\)という記号を使って
\(p\rightarrow q \)
と表す。このとき、\( p\)をこの命題の仮定、\( q\)を結論といいます。
(1)
一般に、条件\( p,\ q\)を満たすもの全体の集合をそれぞれ\( P,\ Q\)で表すとき
命題「\( p\rightarrow q\)」が真
であることは
\(P\subset Q \)
が成り立つことと同じである。
また、命題「\( p\rightarrow q\)」が真であり、かつ、命題「\( q\rightarrow p\)」が真であるとき
命題「\( p\leftrightarrow q\)」
と表す。これは、\( P=Q\)が成り立つことと同じである。
(1)
ある命題「\( p\rightarrow q\)」が偽であることを示すには、
「\( p\)であるのに\( q\)でない」
という例を1つあげればよい。このような例を、その命題に対する反例という。
(1)
必要条件と十分条件
2つの条件\( p,\ q\)について、命題「\( p\rightarrow q\)」が真であるとき、
\( p\)は\( q\)であるための十分条件である
\( q\)は\( p\)であるための必要条件である
という。
(1)
2つの条件\( p,\ q\)について、命題「\( p\rightarrow q\)」であるとき、
\( p\)は\( q\)であるための必要十分条件である
\( q\)は\( p\)であるための必要十分条件である
という。また、\( p\)と\( q\)は同値であるともいう。
(1)
条件の否定とド・モルガンの法則
条件\( p\)に対して、「\( p\)ではない」という条件を\( p\)の否定といい、\( \overline{p}\)で表す。\( \overline{p}\)を満たすもの全体の集合は、\( p\)を満たすもの全体の集合\( P\)の補集合\( P^c\)となる。
(1)
条件\(p,\ q \)を満たすもの全体の集合をそれぞれ\( P,\ Q\)とする。条件「\( p\)かつ\( q\)」を満たすもの全体の集合は、\( P\)と\( Q\)の共通部分\( P\cap Q\),条件「\( p\)または\( q\)」を満たすもの全体の集合は、\( P\)と\( Q\)の和集合\( P\cup Q\)である。
集合に関するド・モルガンの法則から、2つの条件\( p,\ q\)について次の法則が導かれる。
\( \overline{p かつ q }\ \ \leftrightarrow \ \overline{p}または\overline{q}\),
\( \overline{p または q }\ \ \leftrightarrow \ \overline{p}かつ\overline{q}\)
(1)
『すべて』と『ある』
すべて
\(x \)に関する条件\( p(x)\)とは、変数\( x\)に全体集合\( U\)の要素を代入して初めて真偽が定まるものである。それに対して、
「すべての\( x\)について\( p(x)\)」
というのは、それだけで真偽の定まっている命題である。
(1)「すべての実数\( x\)について\( x^2 + 3>0\)」という命題は真である。
(2)「すべての実数\( x\)について\( x^2 – 3>0\)」という命題は偽である。
(反例)例えば、\( x=0\)は\(x^2-3>0 \)を満たさない。
「すべての\( x\)について\( p(x)\)」という命題は、
「任意の\( x\)について\( p(x)\)」 ,「どのような\( x\)に対しても\( p(x)\)」
などともいわれるがすべて同じことである。
これは、全体集合\( U\)のすべての要件が条件\( p(x)\)を満たすということである。
ある
上の例の「すべての実数( x)について( x^2 – 3>0)」という命題は偽であったが、
「ある実数\( x\)について\( x^2-3>0\)」
という命題を考えると、これは真になる。例えば、\( x=2\)に対して、\( x^2-3>0\)となるからである。
一般に
「ある\( x\)について\( p(x)\)」
という命題は
「\( p(x)\)である\( x\)が存在する」,「適当な\( x\)について\( p(x)\)」
などともいわれるが、すべて同じことである。
これは、全体集合\( U\)の要素の中で条件\( p(x)\)を満たすものが、少なくとも1つ存在するということである。
「すべて」と「ある」の否定
「すべての\( x\)について\( p(x)\)」にという命題が偽となるのは、ある\(x \)について\( \overline{p(x)}\)となるときである。また、「ある\( x\)について\( p(x)\)」という命題が偽となるのは、すべての\( x\)について\( \overline{p(x)}\)となるときである。これらのことも、ド・モルガンの法則と呼ばれる。
「すべての\( x\)について\( p(x)\)」の否定は
「ある\( x\)について\( \overline{p(x)}\)」
「ある\( x\)について\( p(x)\)」の否定は
「すべての\( x\)について\( \overline{p(x)}\)」

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